Story

「もう会わないってわけにはいかなくなっちゃった。大丈夫なつもりだったんだけどね」
「杉本さんの、そういう正直なとこ・・・好きですよ」

 杉本みさえは、豊田の印刷会社に勤める31歳。小さい会社ながら責任ある仕事を任され、お互い干渉しない自由な結婚生活を楽しみ、心配の種だった妹も半年後に結婚する・・・、みさえは、平凡でありながらも、充実した生活を送っている。
 8月――、会社の若いデザイナー谷沢が退職をする。谷沢は、気の合うかわいい後輩以上ではなかった。しかし、退職間際に、彼から小さな箱を預かり、中を見てはいけないと言われたことで、みさえの心に小さな変化が生じる。
 9月――、みさえは、会社の後輩美奈子(宮嶋麻衣)と谷沢がデートする姿を目撃してしまう。自分自身にも隠し通せると思っていた"小さな変化"が、"大きなゆれ"に変わっていく。みさえは、恋をしてしまったのだ。
しかし、それが夫の知るところとなる。夫の前には、あの"箱"があった。
 10月――、身動きが取れなくなってしまったみさえの心を少しずつ蝕んでいくあの"箱"。あの箱の中身は一体なんだったのか?今まで築いてきた自分を、こうも激しく揺さぶるあの"箱"とは一体なんなのか?
 そして11月――、なだらかな日常とゆれる非日常の間から、小さな何かが始まる――。

 豊田を舞台に、1つの箱をめぐって繰り広げられる30代女性の心の旅を描くリアルなラブストーリー。

Introduction

テーマ"心の旅"

空

30代女性の主人公が、1つの"箱"をめぐってたどる日常と非日常――仕事、夫、恋愛、不倫、実家、家族、そして未来・・・、どこにでもある情景をくぐりぬけて主人公がたどり着いた場所はどこなのか。それは、"箱"の中に隠されています。
監督は語ります「この映画は、豊田の街を舞台にした小さなラブストーリーであるとともに、若くはないがすべてをあきらめてもいない30代の大きな成長物語でもあるんです」。

豊田の街を舞台に

物語は、愛知県中北部(西三河地方)に位置する豊田(とよた)の各所を舞台に繰り広げられる。
北は香嵐渓から、平戸橋、梅坪、豊田市街、竹村・・・。そして、車と名鉄の赤い電車。豊田に住んでる人なら必ず分かる場所で起こる数々の出来事。
もしかしたら、あなたの前の車に乗っているのは、みさえかもしれない・・・。


三河でも指折りのスタッフが結集

撮影風景

『箱』は、たくさんの出会いから生まれた映画です。

監督は、豊田活動写真会の清水雅人。『公務員探偵ホーリー2』で、第6回インディーズムービーフェスティバル一般部門10位入賞、CATVひまわりネットワークで映像バラエティ番組「小坂本町一丁目テレビ」の製作・出演もつとめる。

撮影は、RUNNIG PRO.の岩松顯(あきら)。学生時代から自主映画製作をはじめ、監督作『IMOMUSHI』が、アメリカのシネクェスト映画祭2006にてヴュアーズ・ボイス・コンテスト招待作品シネクェスト・コレクション選出作品となっている。

照明は、planning office fの古川良則。元某テレビ局の照明マンで、現在は制作会社を経営。

ラインプロデューサーは、team EDWOODの石川登美二(とみじ)。彼も『破壊の街のキツネと少女』が、第6回インディーズムービーフェスティバルTANPEN部門で8位入賞を果たした監督。今回は、キャスト・スタッフの日程調整・撮影現場の取り仕切り等を務める。

助監督・衣装・小道具には、映画製作初参加ながら有能ぶりを発揮している伴野悠吏、音声は小坂本町一丁目町内会から参加の竹内宏司、ロケ地交渉・進行は豊田活動写真会の堀芳樹、メイキング製作に末之原ムービークラブの加藤康裕、そして、国武清隆はじめ小坂本町一丁目町内会メンバーたち。すべて、豊田・刈谷等三河に住んでいる面々だ。


もちろんキャストも豪華

主演は、豊田活動写真会の近藤美由紀。実年齢に、実環境に近い杉本みさえ役を演じる。
相手役谷沢に金森正樹。名古屋ビジュアルアーツ卒業。
美奈子役には、同じくビジュアルアーツ卒業で、現在名古屋を中心に女優業をしている宮嶋麻衣。
みさえの妹チカエ役に、タレント活動歴もある松林佳奈。また、豊田演劇界からは、柴田槇子と山田幸治が参加、とキャストもとにかく豪華。
すべての人が主役と言ってもいいくらいの熱演をしている。


出演者